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記事を通して生まれた関係性に【グッチョデザイン賞】

早いもので地域福祉マガジン【グッチョ】を始めて半年。このところ、グッチョを通して生まれたようなうれしい出来事がちらほらと。今回はそんなお話です。

ごみ拾いの後、焼きイモを

少し前に書いた記事「(生活保護担当者がレポート)子供たちのひと夏のチャレンジ。真のワクワク体験とは?」で「わたしと僕の夢(わた僕)」の塾に通う子どもたちを紹介しました。記事を書いたミリアムさんが、「わた僕」から相談を受けたのがきっかけです。

「フトシくんさ、寒くなってきたら焼きイモやん。ごみ拾いして、ご褒美にみんなで焼きイモ食べたら楽しいよね。それで、火を起こせる所ないやかって聞かれたと」と話すミリアムさん。僕は記憶をたどり、「そういえば、川嶋睦己くんが少し前、河川敷のイベントで火を起こしとったよ」と伝えました。川嶋さんとは「災害現場で「タグ付け」するつなぎ役に。ハッシュ3兄弟の挑戦!」の回で登場した防災士で社会人落語家。その記事にオチをつけてくれた彼のもう一つの顔は、筑後川防災施設「くるめウス」の館長です。

「筑後川に興味を持つ人が増えてほしい」と話す川嶋さん。今回は川嶋さんが河川敷で火を使えるように河川管理者への届出を支援してくれました

互いのメリットを組み合わせる

ミリアムさんから、後日報告がありました。「フトシくんありがとう!睦ちゃん(川嶋さん)に相談に行ったらすぐに話が通じた。私が書いた記事を読んでくれてたみたいで、焼きイモも応援するし、来年になったらカヌー体験なんかどう?って提案してくれたとよ」。

川嶋さんは、「わた僕」やそこに通う子どもたちのこと、そしてミリアムさんの思いを既に理解していました。「応援する理由は二つ」と川嶋さんは話し始めます。「どんな子どもも体験は偏ると思うんです。私も仕事柄、休日に子どもと一緒に居られる時間は少ない。だから、うちの子が筑後川で遊ぶ機会は多くないんです。子どもは何に興味を持つか分からないから機会は増やしてあげたい。もう一つは、筑後川に興味を持ってくれる人を増やせそうかなと、そろばんをはじいた部分もありました(笑)。くるめウスに来てくれる人以外との接点貴重なんです。やさしさ半分、ビジネス半分ですよ」と、今回は珍しく真面目。

奥に見えているのがくるめウス。ゆめタウン久留米の北側にあり、河川敷には舗装された広場があって、そこで焼き芋が行われました

素敵な関係性を生む舞台に

11月21日、くるめウス北側の筑後川河川敷。ミリアムさんや「わた僕」スタッフの他、手伝いに来たみんなは子どもたちの到着を待っていました。炭をおこし、事前に子どもたちがアルミホイルに包んだ芋を焼きながら、今か今かと。一方、子どもたちは道路のごみを拾いながら、塾からの約3㎞を1時間かけて歩いてきました。

河川敷のごみを拾いながら焼きイモが焼ける広場を目指す子どもたち

河川敷に着いて土手のごみを拾っていると「みんな焼けたよ~」とスタッフの声。冷たい風が吹く中、ほくほくの焼きイモとじゃがバターを頬張りました。

焼けたジャガバターを取り分ける生活支援課の職員
映える三色じゃがバター。函館直送の「きたかむい」「インカルージュ」「ノーザンルビー」が鮮やか

「春になったらカヌーだね」。うれしそうな大人の声を聞き流すように、子どもたちは食べるのに夢中。でも、きっと届いているんだろうなと勝手に想像しながら取材中の僕も焼きイモを食べました。三つも。

僕の分の焼きイモ

素敵なコラボは互いのプラスをうまく重ね合わせている。今回はその間にグッチョがあった。そうだ!グッチョきっかけの関係性デザインをたたえる『グッチョデザイン賞』だ。これを第一号にしよう。これからも心や動きのつながりが、グッチョを舞台に生まれるのを期待して。 (担当・フトシ)

2人で半分づつに分けて食べるわた僕の子どもたち