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グッチョな動き/取り組み

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#地域共生社会

ガチャガチャで缶バッジ。遊びながら町の未来を考える

ガチャガチャで缶バッジ。遊びながら町の未来を考える

ある日、SNSを見ているとコンビニエンスストアに置かれたカプセルトイの写真が流れてきました。「山本町バッジ」と書かれ、パッケージには同町の名所「浅井の一本桜」の写真。「売り上げは子ども会に寄付」と書かれているものの、誰がどういう経緯で販売しているのか分からない。ここはグッチョの出番と、取材に向かいました。

山本の良さを知ってほしい

「山本校区の山本自治区に住んでいる山本です。出身は宮ノ陣ですが

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地域活動も私たちも楽しいのが〇(マル)。元民生委員がお揃い衣装でハンドベル隊

地域活動も私たちも楽しいのが〇(マル)。元民生委員がお揃い衣装でハンドベル隊

犬塚校区の「たんぽぽの会」は、ハンドベルの演奏を校区内外のいろんな場で披露しています。元・民生委員児童委員で結成された団体です。活動を見に行くと、手作りの衣装とベレー帽のメンバーがそこにいました―

子育てサロンで演奏を披露

 6月12日、この日は三潴校区コミュニティセンターでのリハーサル中でした。ハンドベルを披露する相手は子育てサロン「きしゃポッポ」の子どもたちと保護者です。
 音符ではなくド

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保護司と少女の手紙の交換。手書きに込めた思い、塀を越える

保護司と少女の手紙の交換。手書きに込めた思い、塀を越える

「文字から彼女の変化が伝わってくるんですよ」。保護司を務める大坪平さんは手紙を見つめながら、話してくれました。

出所までの半年間、手紙を交換大坪さんに手紙を出したのは、令和3年12月に少年院を出所した少女です。大坪さんはこれまでに17人の保護観察を担当。犯罪や非行をした人が社会の中で更生できるように指導や支援をしてきました。

手紙の少女の担当になったのはその年の夏。保護観察所から頼まれ、少年院

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「どうせ」と「せっかくだから」の決定的な違い。”支援”という言葉の落とし穴に気づく

「どうせ」と「せっかくだから」の決定的な違い。”支援”という言葉の落とし穴に気づく

拡大号から続く物語を紹介実家より実家「じじっか」。「血縁なき大家族」が、貧困からの脱出を目指す拠点です。ひとり親を中心に200世帯を超える皆さんが支え合っています。下のリンクの記事に続く2回目の掲載。今回は、この記事がきっかけで生まれたエピソードを紹介します。

記事の最後の方にじじっかの一角にある「ギフトルーム」の写真を載せました。寄付の品をもらえる仕組みです。欲しい物を段ボールから探すのではな

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ゴジラの敵役を務めたスーツアクターがローカルヒーローに。きっかけは息子の聴覚障害⁉

ゴジラの敵役を務めたスーツアクターがローカルヒーローに。きっかけは息子の聴覚障害⁉

コミュニケーション考える契機に聴覚障害のある人は、後ろからのコミュニケーションが苦手です。歩いている時に後ろから声をかけられたり、自転車のベルを鳴らされたりしても聞こえません。「無視している」と誤解され、追い抜きざまににらまれることもしばしば。

守李君は、胎児の時のウイルス感染で難聴になり、右の聴覚がわずかにある程度です。4月に聾学校幼稚部から町立の小学校に進学。歩いて通学しています。そこで両親

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ハロウィーンに世代間交流。看護学生が人に会い、場に触れて、気づいたこと。

ハロウィーンに世代間交流。看護学生が人に会い、場に触れて、気づいたこと。

令和4年10月、住宅型有料老人ホーム「こがケアアベニュー宮ノ陣」を中心に、ハロウィーンイベントが行われました。 「ハローウィンウィンプロジェクト」と題し、市内4団体の子どもたちへお菓子をプレゼント。入居者の寄付で購入し、古賀国際看護学院の学生が配達しました。子どもたちの様子を動画で撮影。高齢者の元へ届けると、大喜びの姿に入所の皆さんも思わず笑顔。同ホームの末次輝さんは「みんなが笑顔になる方法を企画

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誰かが信じることで始まる一歩がある。育成型就労プロジェクト

誰かが信じることで始まる一歩がある。育成型就労プロジェクト

働きたくても働けていない人は全国で1500万人。8人に1人の割合です。働きづらさを抱える人に伴走し、仕事を通じて「地域での暮らしを変える」ことを、企業と共に目指す取り組みが進んでいます。単に労働分野の話ではなく、これからの地域の在り方の話と捉えると―

「Work Magic ダイバーシティ育成型就労プロジェクト」は、特定非営利活動法人「わたしと僕の夢」が取り組む事業です。働きづらさを感じている人

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支え合い、シェア。グッチョ感はいつごろから存在したのか。歴史をさかのぼる

支え合い、シェア。グッチョ感はいつごろから存在したのか。歴史をさかのぼる

地域福祉、地域共生社会、支え合い。これまで「し合う」という感覚をいろんな言葉で表現してきました。そういう感覚はいつから?と、歴史をさかのぼってみようと思いつきました。専門家に聞くと、筑後地域の成り立ちと切っては切れないことのようで―

資源に乏しい島国だから「支え合いやシェアの文化をさかのぼると、アフリカで誕生した人類が、猛獣から身を守るため集団をつくり始めた頃に至ります。集団が存続するために本能

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命を支えるということは「見ようとする。思いを寄せる」。ぬいぐるみに表れた関係性に触れる

命を支えるということは「見ようとする。思いを寄せる」。ぬいぐるみに表れた関係性に触れる

久留米で30年以上、ホームレスの暮らしを支える活動団体があります。「伴走支援はどちらかが死ぬまで」と覚悟を語るのは「久留米越冬活動の会」代表の畠中茂生さん。人が人を支えることとは―

毎月第4火曜日、小頭町公園で「越冬炊き出し」があります。同会が「越冬」目的で始まったものが通年開催に。 毎回30~50人ほどが食料や衣類、その他の生活物資を求めて集まります。火曜ごとのパトロールでチラシを配って路上生

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カット代は農作物で。惣菜に生かす。お金を介さないことで生まれる「日常の延長感」

カット代は農作物で。惣菜に生かす。お金を介さないことで生まれる「日常の延長感」

水天宮の門前、久留米市瀬下町で美容室と惣菜店が並んで営業しています。ここで行われているのは「廻」という一風変わった取り組み。お金を介さない取引で生まれる感覚とは―

 カット代を農作物でもらい、惣菜の材料にして販売する。始めたのは美容室「余韻」を経営するノダタツヤさんと、惣菜店「咀嚼(そしゃく)」のマナミさん、ノブコさんの家族です。「廻(かい)」と名付けました。

身の周りの暮らしを知りたい

 

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30年ぶりの外食/孤独・孤立や引きこもりの時間に関わって感じたこと

30年ぶりの外食/孤独・孤立や引きこもりの時間に関わって感じたこと

私は市社会福祉協議会で働いています。さまざまな生きづらさを抱える人と出会います。その中に、30年近く仕事に就けず、ほとんどの時間を自宅で過ごしていた男性がいました。彼は今、就職して忙しい日々を送っています。男性に起こった変化とそのきっかけは。

令和6年1月、仕事が終わったばかりの西川光一さん(仮名)を誘い、「ぷらっと.荘島」に食事に行きました。カフェのあるコミュニティスペースで、私たちにとって思

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障害があってもなくても。地域で暮らす存在を感じ合えるカフェがオープン

障害があってもなくても。地域で暮らす存在を感じ合えるカフェがオープン

久留米市役所のすぐそば、100年以上続く小売店や卸問屋が並ぶ「あきない通り」に「日々+カフェ」はあります。知的障害のある人の働く場として、そして「あらゆる人の自然な接点に」という思いで、令和5年11月に誕生しました。

「店内もだけど、黄色と緑のエプロンもおしゃれでしょ。会員の手作りなんです」。「久留米市手をつなぐ育成会」代表の藤野薫さんは笑顔を見せます。同会は、障害のある子と親が地域で安心して暮

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